何人目か、もう数えていないと思います。
同じことを聞いています。戻れますか。あの人はいま何を思っていますか。いつ連絡が来ますか。
聞くたびに少しだけ落ち着いて、その日の夜か、次の日か、また同じ不安が戻ってくる。そしてまた別の人を探している。
先に、いちばん大事なことを書きます。
この記事の結論
やめられないのは、意志が弱いからではありません
占いをやめるということが、その人との最後の接点を手放すことだからです。占いをやめた瞬間、その人について考える口実がなくなります。
占いは、いま「会話の代わり」になっています
連絡は取れません。取ってはいけないと自分で決めたか、返ってこないか、ブロックされているか。
それでも、その人のことを話せる場所が一つだけ残っています。 占いです。
鑑定のあいだ、あなたはその人の話をしています。名前を出し、生年月日を伝え、何があったかを説明し、いまどうしているかを聞く。四十分のあいだ、その人はあなたの世界に存在しています。
料金を払っているのは、未来を知るためではないかもしれません。その四十分を買っているのかもしれない。
知恵袋に、こう書いている人がいます。
疎遠な好きな人の気持ちに触れたくて何度もやってしまいます。それでやっと精神を保っています
元から相手に依存していたので、占い師を通して相手に依存しているのは変わらないです。占い師の言う都合のいい言葉に縋っています
自分の状態を、正確に言葉にしています。分かっていて、それでもやめられない。分かっているのにやめられないのは、分かり方が足りないからではなく、やめると失うものがあるからです。
引き直すと何が起きるか
もう気づいているかもしれませんが、書いておきます。
良い結果が出たとき
- 「今年の秋ごろに動きがあります」
- その日まで待つ時間ができる
- 待っているあいだにまた不安になる
- 確かめたくて、また占う
悪い結果が出たとき
- 「この方とのご縁は薄いですね」
- 受け入れられない
- 打ち消してくれる人を探す
- 別の占い師のところへ行く
どちらに転んでも、次の鑑定につながります。 これは誰かが仕組んだというより、そういう作りだとそうなる、という話です。時間で課金する形式なら、あなたが迷っているほど売上が立ちます。この構造については占いジプシーを、やめたい。に、料金の作りと公的機関に寄せられた相談を並べて書きました。
そして、何人にも聞いていると、答えが割れます。 戻ると言う人と、戻らないと言う人と、時期がずれると言う人が出てきます。そこで起きるのは安心ではなく、「どれを信じるか」という新しい問いです。問いが増えているだけで、減っていません。
占いが答えられないこと
正直に書きます。復縁できるかどうかは、占いには分かりません。 うちの診断でも分かりません。
これは謙遜ではなく、実際に大規模なデータで調べた結果です。1,000万組を超える国勢調査でも、三十年分の行政記録でも、占星術上の相性と結婚・離婚のあいだに一貫した関係は見つかりませんでした。詳しくは相性診断は、意味がないのか。に書いています。
さらに言えば、「これから良くなるか悪くなるか」は、占いに限らず、いまの心理学でもほとんど予測できていません。 1万1千組以上を追跡した研究でも、関係の変化を予測できた要因はほとんどありませんでした。
つまり、何人目かの占い師が言い当てているわけではありません。誰にも当てられていない領域です。
手放す前に、置き換えるものが要ります
「占いをやめましょう」だけでは終われません。やめると穴が空くからです。
穴を埋めないまま禁止すると、たいてい二週間ほどで戻ります。だから、その人の話をする場所を、占い以外に作るほうが先です。
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01
書く場所を決める
ノートでも、スマホのメモでも、下書きのままにしておくメールでもいい。占いたくなったら、まずそこに書く。「今日はこう思った」で構いません。占いと違って、返事は来ませんが、料金もかかりません。
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02
聞く相手を一人だけ決める
友人でも家族でも。何度も同じ話をすることになるので、あらかじめ「同じ話を何回もするかもしれない」と伝えておく。占い師に払っていたのは、その断りを入れなくていい気楽さでもあります。
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03
占う日を先に決める
ゼロにしなくて構いません。「次は三週間後」と決めて、その日までは開かない。守れなかったら間隔を短くして、また決め直す。減らすことと、やめることは違います。
一つだけ、占い抜きで確かめられること
占いは、相手の気持ちを教えてくれません。でも、あなたが何を取り戻したいのかは、占い抜きで確かめられます。
紙に、こう書いてみてください。
占わずに答えられる問い
戻りたいのは、あの人にですか。あの頃の自分にですか
同じに見えて、別のものです。前者なら相手が必要ですが、後者なら相手はいなくても取り戻せます。
別れる前の自分は、たぶん、いまより穏やかで、笑っていて、先のことを考えられていました。それを取り戻したいのだとしたら、必要なのは復縁ではなく、その状態です。
もちろん、本当に相手に戻りたいということもあります。それはそれで構いません。ただ、どちらなのかを分けずに占い続けると、何を聞いても答えになりません。 質問がぼやけているからです。
実際に連絡を取るかどうかを決める段になったら、復縁したい。でも、連絡しないほうがいい?に、冷却期間より先に見てほしいことを書いています。
- 怖い思いをしたことがある相手なら、この記事の手順は当てはまりません。連絡を取るかどうかを迷う段階ではなく、距離を保つほうが先です。つきまといや脅しがある場合は警察相談専用電話の#9110へ。配偶者や交際相手からの暴力は内閣府のDV相談ナビ #8008が最寄りの相談機関につなぎます。
- 占いの支払いがすでに生活に影響しているなら、別の窓口が要ります。消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センター等につながります。相談は無料です。
もう少し、考えてみる
何人にも聞いて、答えが割れています。どうすればいいですか
割れるのが普通です。占術によって見るものが違い、同じ占術でも流派で手順が分かれます。どちらが正しいかを決める方法が、占いの外にありません。
だから「多数決で決める」もできません。三人が戻ると言って一人が戻らないと言ったとしても、それは三対一で戻るという意味にはなりません。割れているという事実だけが残ります。
いい結果が出たときだけ信じてしまいます
それで正常です。人は自分の期待に合う情報を選んで覚えます。責める話ではなく、そういう仕組みだという話です。 検算の方法は「相性が悪い」と、言われてしまった夜にに書きました。逆の結果が出ていたら同じ出来事をどう説明しただろう、と考えてみる方法です。
やめたら、あの人のことを忘れてしまいそうで怖いです
忘れません。占いをやめても、その人がいた時間はなくなりません。
なくなるのは、その人について毎日考える口実のほうです。それは失うものではありますが、あなたの記憶ではありません。
期限を決めたほうがいいですか
決められるなら、そのほうがいいと思います。ただし「いつまでに復縁する」ではなく、「いつまで占いに聞くか」で決めるほうが現実的です。前者は相手が決めることですが、後者はあなたが決められます。
すでに言われた時期が過ぎてしまったなら、占いが、当たらなかった。に、その時間をどう扱うかを書きました。
参考にした資料
- 国民生活センター「全国の消費生活センター等」(消費者ホットライン 188)
- 内閣府「DV相談ナビ」(#8008)
- 相性と結婚・離婚の関係を調べた研究、および関係満足度の予測に関する研究の出典は、相性診断は、意味がないのか。の参考文献にまとめています。
- 記事中で引用した書き込みは、Yahoo!知恵袋で公開されている相談のうち、本人が自身の状態を記述した箇所です。個人が特定できる情報は含めていません。


