「付き合うのは、ちょっと考えられない」
そう言われたのに、関係は終わりませんでした。今も連絡は来ます。会えば楽しいし、優しくもしてくれる。ただ、あの言葉だけが取り消されないまま、そこに置かれています。
「付き合えないけど、いなくならないでほしい」。はっきりそう言われた人もいると思います。
あなたはもう、答えを聞いています。 それでも「男性心理」と検索してしまうのは、聞いた答えとは違う答えが、どこかにあるかもしれないと思うからではないでしょうか。
この記事では、彼の心理を並べることはしません。それはすでに何度も読まれたはずですし、読んでも関係は変わらなかったはずです。ここで扱うのは、答えを聞いた後に残っているもののほうです。
その言葉に、条件はついていましたか
「付き合えない」だけだったのか、その前後に何か添えられていたのか。ここは思い出せるはずです。
条件のありなしで、状況の意味がかなり変わります。
条件がついていた場合
「今は仕事が落ち着かないから」「前の人のことが整理できていないから」「自分に自信がないから」。
こういう言い方をされたなら、その条件は時間が検証してくれます。あなたが問い詰める必要はありません。半年前に言われた条件が、今どうなっているか。仕事は落ち着いたのか。整理はついたのか。
条件が解けたのに関係が変わらないなら、その条件は理由ではなく、説明として使われた言葉だった可能性があります。嘘をつかれたという意味ではありません。言った本人も、そう思っていたのかもしれません。
条件がなかった場合
理由を添えずに「付き合えない」とだけ言われたのなら、少し違う読み方になります。
理由を言わないのは、冷たいからとは限りません。ただ、理由を説明する関係だと思われていない可能性はあります。説明には責任がついてくるからです。
相手に家庭や恋人がいる場合
ここは、これまでとは別の話になります。
道徳の話をするつもりはありません。ただ、事実として、あなたが選べる範囲が構造的に狭くなります。会う時間も、連絡できる時間も、相手の事情で決まります。関係が終わるときも、あなたの意思では決まらないことが多い。
そして、この状況で不利益を負うのは、たいていあなたのほうです。それを承知のうえで続けるかどうかは、あなたが決めることです。ただ「知らないまま続いていた」という形にはしないでください。
言葉ではなく、この三つを見る
彼が何を考えているかは、外からは分かりません。分かるのは、彼が何をしているかだけです。
- 人前に出るか
- 共通の友人、家族、SNS。二人以外の誰かがいる場所に、あなたとの関係が存在しているか
- 予定を先に置くか
- 来週ではなく、来月や来年の話に、あなたが登場したことがあるか
- あなたが動かないとき
- あなたから連絡しない週があったとき、彼のほうから戻ってくるか
三つとも揃っていないなら、彼の言葉のとおりだと考えるのが素直です。三つとも揃っているのに「付き合えない」と言うなら、彼の中で何かが起きています。ただ、それが何かは、やはり彼にしか分かりません。
大事なのは、この三つはあなたが観測できるということです。心理は推測するしかありませんが、行動は見れば分かります。判断の材料を、推測できないほうから、見れるほうへ移してください。
手放せないのは、彼だからとは限りません
ここからは、少し言いにくいことを書きます。
断られたのに続いている関係は、返ってくるものが不安定なほど、離れにくくなることがあります。優しくされる日と、そっけない日がある。その差が大きいほど、優しくされた日の記憶が強く残る。そういう仕組みがあると言われています。
ただし、これがあなたに当てはまるかどうかは、私には分かりません。心理学の一般的な説明は、目の前のひとりを言い当てるためのものではないからです。当てはまる気がするなら参考にして、違うと感じるなら捨ててください。
言いたいのはひとつだけです。離れられないことを、愛情の深さの証明として扱わないでください。深く好きだから離れられない場合もあれば、関係の形そのものが離れにくさを作っている場合もあります。この二つは、外から見ると同じに見えます。
そして、どちらであっても、あなたが弱いという話にはなりません。
続けると決めても、構いません
ここで「そんな関係は今すぐやめましょう」とは書きません。
やめたほうがいい関係かどうかは、外からは決められません。この関係から得ているものが、失っているものより大きい人もいます。数年後に形が変わることもあります。
ただ、ひとつだけ区別してほしいことがあります。
決めて続ける
- この関係で何を得ているか、自分で言葉にできる
- 何を諦めているかも、分かったうえで選んでいる
- やめたくなったらやめられる、と思える
決められずに続く
- 彼が変わるのを待っている状態が、既定になっている
- この関係の話を、親しい人にしていない
- 連絡が来ないと、その日の予定が組めない
同じように見えて、疲れ方がまったく違います。前者は選択で、後者は保留です。保留は、選ばないという選択に見えて、実際には時間だけが減っていきます。
彼を変えなくても、ここは今日変えられます。
伝えるなら、何を言わないか
話すと決めた場合の言い方です。話さないでおく、という選び方も同じくらい妥当です。
避けたいのは、彼の答えをもう一度引き出そうとする聞き方です。「私のこと、どう思ってるの?」は、一度もらった答えをもう一度もらいにいく質問で、たいてい同じ答えが返ってきます。そして今度は、聞いたぶんだけ立場が弱くなります。
伝えるなら、自分の線だけを置いてください。
どちらも、相手に判断を求めていません。判断を求めない伝え方は、断られようがないという利点があります。あなたが決めたことを伝えているだけだからです。
「あなたが悪いわけじゃない」と書いたのは、彼を庇うためではありません。責める言い方をすると、話の中心が「どちらが悪いか」に移ってしまい、あなたが決めたことが伝わらなくなるからです。
もう少し、考えてみる
待っていたら、気持ちが変わることはありますか
あります。ただ、変わったかどうかは、待っている側からは見えません。見えるのは行動だけです。気持ちが変わったなら、先ほどの三つのどれかが動くはずです。動かないまま「変わったかもしれない」と考え続けるのは、待っているのではなく、想像しているのに近い状態です。
体の関係があると、判断が難しくなります
難しくなるのは、あなたの意志が弱いからではありません。会う理由が生まれ、優しくされる時間も生まれ、そのぶん関係が続く力が強くなるからです。
判断を先にしてから会うのか、会いながら判断するのか。後者はかなり難しい、とだけ書いておきます。どちらを選ぶにしても、避妊や体調について自分で決められる状態は手放さないでください。ここは関係の形と関係なく、あなたの領分です。
このまま友人でいるのは、負けですか
負けではありません。ただ、あなたが友人として接することができているかは、確かめてみてください。
連絡が来ないと落ち着かない、他の人の話が出ると苦しい、という状態なら、それは友人という名前がついた別のものです。名前を変えても中身は変わりません。名前のほうを、中身に合わせて呼び直したほうが、扱いやすくなります。


